脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳血管のトラブルに起因する疾患の総称で、日本3大疾病の一つです。日本の死亡原因の第4位で、寝たきりや認知症など要介護の原因となる疾患の第1位です。今まで元気に生活していた人でも突然に発症し、意識障害、片麻痺、言語障害、高次脳機能障害などの症状が生じます。後遺症が残った場合には、患者本人だけではなく介護者である家族の日常生活にも大きな影響が生じますので、社会的影響の大きい疾患と言えます。当院でも年間約700〜800名の方が脳卒中で入院しておられ、頻度の高い疾患です。
脳卒中の治療は進歩を続けています。とくに脳梗塞の超急性期・急性期治療は、血栓溶解療法(t-PA静注療法)や経皮的脳血栓回収療法の登場により飛躍的に進歩し、発症から短時間で診断して速やかに治療が開始できれば、劇的な症状改善が得られることも稀ではなくなりました。発症からの時間経過が治療効果に大きく影響するため、“分単位”で診断と治療開始を早める必要があります。当院では、地域の脳卒中診療の中心的な役割を担うべく、2014年5月1日より三重県内でいち早く脳卒中センターを開設し、超急性期・急性期脳卒中治療を提供できる体制を整えました。脳卒中に対する専門知識を持った医師(脳神経外科医、脳神経内科医)、が24時間365日院内に待機しており、速やかに脳卒中診療を開始します。検査技師も同様に休日夜間も院内に待機しており、3台のCT、3台のMRI、3台の血管撮影装置を稼働して、遅滞なく治療が開始できる体制で臨んでいます。近隣医療圏の救急隊や医療機関とも緊密な連携のもとで、一人でも多くの脳卒中の患者さんを助けることを目標に診療を続けています。
脳卒中による後遺症を低減するためには、適切な急性期治療だけでなく、適切な看護、適切なリハビリテーションが重要です。これらを実現するために多職種でチームを形成して多角的・多面的に検討を行い、より高度な脳卒中治療を提供できるように取り組んでいます。
急性期脳卒中が対象です。脳卒中とは、脳の血管のトラブルで起こる病気の総称です。脳卒中には、血管が詰まるタイプと血管が破れるタイプがあります。血管が詰まって起こるのが「脳梗塞」で、血管が破れて起こるのが「脳出血」と「くも膜下出血」です。また、血管が閉塞して脳梗塞のような症状が出たものの、幸い再開通を得て症状が消失する「一過性脳虚血発作」もあります。
片側の手足が動かない、言葉がうまく出ない、などの神経症状が突然に生じたり、経験したことのない激しい頭痛が突然に生じたりした場合は、急性期脳卒中の可能性があります。躊躇せず、すぐに救急要請してください。
| 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 脳卒中関連疾患総数 | 824 | 782 | 774 | 638 | 659 |
| 脳梗塞(発症7日以内) | 466 | 526 | 462 | 405 | 414 |
| 脳出血(発症7日以内) | 151 | 162 | 181 | 149 | 167 |
| くも膜下出血 | 38 | 40 | 38 | 39 | 40 |
| rt-PA単独実施数 | 59 | 42 | 22 | 26 | 16 |
| 機械的血栓回収療法 | 61 | 72 | 56 | 48 | 51 |
| 破裂脳動脈瘤に対する直達手術 | 39 | 37 | 30 | 20 | 23 |
| 破裂脳動脈瘤に対する血管内手術 | 2 | 3 | 2 | 8 | 4 |
| 頸動脈血栓内膜剥離術 | 6 | 6 | 8 | 4 | 5 |
| 頸動脈ステント留置術 | 44 | 22 | 31 | 17 | 17 |
| 頭蓋内血腫除去術 | 24 | 22 | 17 | 14 | 14 |
| バイパス手術 | 4 | 6 | 1 | 6 | 1 |
当センターは、日本脳卒中学会から地域の一次脳卒中センター(PSC;Primary stroke center: PSC)のコア施設の認定を受けており、24時間体制で超急性期・急性期脳卒中治療を行っています。また、日本脳神経外科学会認定研修教育病院、日本脳神経内科学会認定研修教育病院、日本脳卒中学会認定研修教育病院、日本脳神経血管内治療学会訓練施設に指定されています。
脳卒中再発予防のための管理栄養士による食事指導、薬剤師による服薬指導を行っています。
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