脳動脈瘤とは、脳の動脈にできた瘤(コブ)です。未破裂脳動脈瘤の多くは、脳の動脈の分岐部に生じます。日本国内の脳ドック受診者のデータによると、40歳以上では約3~5%の有病率とされています。案外多くの人が未破裂脳動脈瘤を持っていますが、検査を受ける機会がないとそれに気づきません。
未破裂脳動脈瘤が破裂する危険性は、大きさ・場所・形状・患者背景(喫煙・高血圧など)によって大きく異なりますが、日本国内の約6,000人の未破裂脳動脈瘤患者を対象とした大規模調査では、平均0.95%/年と報告されています。約99%は破裂しないということになりますが、これを10年間の累積破裂率で検討すると、5mm未満のものでは0.5~1.5%、7mm以上では10~30%の破裂率になるとも報告されています。「破裂率が低いから治療はしなくていい」わけではありませんし、「見つかったらすぐに手術しなくてはならない」わけでもありません。手術治療を行うべきかどうか、いつ行うべきかを、個別に慎重に検討する必要があります。
未破裂脳動脈瘤があることで何か症状が生じることはほとんどありませんが、稀に動眼神経麻痺が生じることがあります。内頚動脈に脳動脈瘤ができると、その隣を走っている動眼神経に脳動脈瘤が接触することがあり、接触された動眼神経が麻痺します。具体的な症状としては、眼瞼下垂、瞳孔拡大が生じます。脳動脈瘤が増大しているサインとされており、速やかに外科的治療を行う必要があります。
破裂した場合には、くも膜下出血を発症します。くも膜下出血に関しては、脳卒中センターのページを参照してください。
未破裂脳動脈瘤を破裂しにくくする薬はありません。未破裂脳動脈瘤を大きくしないための薬もありません。未破裂脳動脈瘤が大きくなっても何も症状は現れませんので、未破裂脳動脈瘤があることが分かった場合には、定期的な検査で増大がないかどうかを確認することが必要です。外科治療を行うべきかどうかは、前述のように複数の要素を考慮する必要がありますが、1つの基準として「5mmを超えたら手術」ということが言われています。
当院脳神経外科では、直達手術と脳血管内治療のどちらかに偏ることなく、より適切な治療はどちらかを慎重に検討し、提案しています。前述のflow diverterを用いた脳血管内治療は、三重県内ではまだ広く行われてはいませんが、当院では積極的に取り入れています。いずれも良好な治療経過を得ています。
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