様々な病気により、脳の働きが徐々に低下し、記憶や判断力などに影響が出て、社会生活に支障を来した状態です。近年では、高齢化により、認知症と診断される方も増えています。
なお、記憶障害はあるものの、日常生活には支障がないために、認知症とは診断されない状態を、軽度認知障害(MCI)と呼ばれています。認知症の原因でもっとも多いのがアルツハイマー病で、次いで血管性認知症、レビー小体型認知症が挙げられます。診断のためには、詳しく話を伺い診察することに加え、脳の画像検査(CT、MRI、アイソトープ検査など)を行います。
脳の中で、記憶に大切な海馬付近から萎縮が始まる病気です。初期には、昔のことはよく覚えていても、最近のことを忘れてしまいます。症状が進むと、時間や場所の感覚がなくなったり、状況に応じた判断が困難になったりします。脳の中に、アミロイドβ蛋白、次いでタウというタンパク質がたまり、神経細胞が障害を受け脳が萎縮していきます。最近、話題となっているアミロイドβ蛋白を減らす点滴を当院でも使用できますが、病気自体の進行を止めることはできません。
レビー小体という異常なタンパク質が脳を中心に溜まる病気です。症状は多彩で、見えないものが見えたり(幻視)、手足の震えや動作が遅く、小刻みな歩行(パーキンソン症状)、睡眠中に大きな寝言を言ったり暴れたりする(レム睡眠行動異常)、立ちくらみ(自律神経症状)などがみられます。現時点では、根本的な治療法はなく、それぞれの症状を軽くする治療を行います。
脳梗塞や脳出血といった脳血管障害を生じたために発症する認知症です。認知症だけでなく、障害を受けた場所によって、言語や飲み込みの障害、手足の麻痺、よろめく、失禁など、さまざまな症状がみられます。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が主な原因であり、脳血管障害が生じるたびに段階的に進行します。そのため再発予防が治療の主体です。
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