肩関節の軟骨が磨り減り, 骨が変形しているために疼痛や可動域制限, 機能障害が生じる病態です。腱板断裂、脱臼、骨折に伴う変形など原因は様々です。そもそも肩関節は荷重がかかる関節ではないため変形性肩関節症は膝関節や股関節と比べると多くはありません。ゆっくりと症状は進行していき、初期には肩の痛みや可動域制限が出現、中期から末期になると強い痛み、関節腫脹、動かすとゴリゴリと音が鳴る人もいます。傷んだ関節を取り除いて人工関節置換術を行うことで疼痛の軽減ならびに関節機能の改善を目標に手術を行います。
解剖型人工肩関節置換術は腱板機能が保たれている変形性肩関節症やリウマチ性肩関節症に対して適応とされます。傷んだ肩甲骨、上腕骨ともに人工物に入れ替えを行います。
手術による腱板修復が困難であり、軟骨損傷も認める場合には特殊な形態をした専用の人工肩関節置換術を行います。反転型 (リバース型)人工肩関節と呼ばれており近年日本でも手術症例が増加傾向にあります。腱板広範囲断裂で肩の挙上を諦めていた患者さんも反転型人工肩関節にて肩を挙げることが可能となり、また肩の痛みも改善します。しかしこの手術を行うには術者の肩関節手術件数の資格が必要であるため手術を行える病院は限定されます。当院は施設基準を満たしており、実施医基準を満たした医師も在籍しているため、反転型人工肩関節置換術を積極的に行っております。
解剖型、反転型人工肩関節置換術は両者とも手術時間は通常2時間から2時間30分程度で肩前面に約8-12cm程度の皮膚切開をして行います。術後は翌日から外固定とし、歩行は可能となります。また術後早期から可動域訓練を始めます。術前の状態によって個人差がありますが、術後3週で外固定は終了となり軽い日常生活動作は可能となります。退院後は定期的な診察が必要です。
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