肩関節は骨性支持が少なく、最も脱臼しやすい関節と言われています。安定性を高める関節唇、関節包といった構造が脱臼により、破綻してしまいます。特に前方関節唇が肩甲骨関節面から剥離したものをバンカート損傷と言います。X線検査、骨病変描出のためのCT検査、関節唇や関節包病変の描出のためのMRI検査を施行しています。MRI検査では関節内に生理食塩水を注入し軟部組織の損傷程度をより詳細に把握しております。一度脱臼が起こると、関節唇が剥がれたままとなり再脱臼しやすくなります。特に10歳代の方は約90%程度で再脱臼するといわれています。脱臼回数が増えるごとに肩関節の骨がすり減ったり、靱帯が損傷しさらに脱臼しやすくなります。当院では全身麻酔下に皮膚に3-5箇所程度、1cm程度の創を作成し内視鏡の手術を行います。アンカーという糸のついた船のイカリのようなものを関節窩に打ち込み糸で損傷した関節唇や骨折を縫合、縫縮する手術を行なっております。アンカーは吸収されるため通常抜去する必要はありません。術後は3週間装具にて上肢と体幹を固定し、その後から筋力訓練や可動域訓練が開始となります。術後3ヶ月程度で日常生活動作に不自由はなくなり、6ヶ月程度でスポーツ復帰を目指しています。
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