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膝軟骨損傷

膝軟骨損傷とは

膝軟骨損傷とは、大腿骨や脛骨の関節表面を覆う硝子軟骨が外傷や繰り返す負荷により傷ついた状態を指します。軟骨は再生能力が乏しく、一度損傷すると自然治癒は困難です。スポーツ外傷による急性損傷のほか、中高年では加齢や関節変形による摩耗でも発生します。軽度では小さなひび割れから始まり、進行すると関節全体に波及し、変形性膝関節症へと移行することがあります。

症状

主な症状は膝の痛みや腫れ、関節を動かしたときの引っかかり感や不安定感です。軟骨片が遊離すると関節内で“ロッキング”を起こし、急に膝が動かなくなることもあります。スポーツ後や階段昇降時に症状が悪化しやすく、持続すると日常生活にも支障を来します。損傷部位や範囲により症状の強さは異なり、慢性化すると膝の可動域制限や歩行障害に進行することもあります。

検査・診断

診断は問診で受傷機転や症状の経過を確認し、診察で腫脹、圧痛部位、可動域、関節不安定性を評価します。X線検査は骨の異常の確認、下肢アライメント(O脚、X脚)の評価を行いますが、軟骨そのものは写らないため確定診断にはMRIが有用です。MRIでは軟骨表面の欠損、ひび割れ、軟骨下骨の浮腫、半月板や靱帯損傷の合併を評価できます。当院では3D画像解析ソフトを用いてMRI画像を解析して立体画像とすることで診断・治療の精度を高める補助としています。これらを総合して損傷の程度を分類し、保存療法か手術療法かを決定します。

治療

治療は症状の程度、年齢、活動性に応じて選択されます。軽度の損傷では安静、消炎鎮痛薬、ヒアルロン酸注射、リハビリにより症状をコントロールしますが、改善が乏しい場合や若年者の広範な損傷では手術を検討します。関節鏡手術では遊離体の摘出や損傷部のクリーニングを行い、局所的な小さな欠損には骨髄刺激法(マイクロフラクチャー、ドリリング)を施すことがあります。より広範囲の損傷では自家骨軟骨柱移植(モザイク形成術)や自家培養軟骨移植(ジャック)が適応されます。変形が進んだ例では骨切り術や人工関節置換術が必要になることもあります。術後はリハビリによる荷重コントロールと筋力回復が重要で、早期に適切な治療を行うことで将来的な変形性膝関節症への進行を抑えることが期待されます。