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もやもや病

もやもや病とは

もやもや病は、「ウィリス動脈輪閉塞症」とも呼ばれる進行性の脳血管疾患です。

内頚動脈が脳内で徐々に細くなり、それを補うための側副血行路として細い血管が発達します。この細い血管網が脳血管撮影で「もやもや」と煙のように見えることから「もやもや病」と名付けられました。

症状は多彩です。もやもや血管の発達が不十分で脳に血液が十分に供給されない場合には、脳梗塞が生じます。脳全体の血流が足りずに意識消失することもあります。また、もやもや血管は脆弱であるため、破れて脳出血を起こすこともあります。その他、けいれん発作の原因になることもありますし、小児の場合は知的発達の遅れの原因になることもあります。

原因

もやもや病の原因として遺伝的要因が関与している場合があり、家族内で発症するケースは約10~15%とされています。RNF213遺伝子の変異が関与し、日本人や韓国人、中国人などの東アジア人種で高い頻度で見つかっています。ただし、RNF213遺伝子の変異があっても必ず発症するわけではなく、その他の因子が重なることで発症するようです。

RNF213遺伝子の検査は一部の研究施設や大学病院などで実施されていますが、保険診療の対象ではないため当院では行っていません。また、検査を受けてRNF213遺伝子の変異があることが分かっても、もやもや病発症の予防や治療には繋がりません。

必要な検査

頭部CTのみでは血管まで評価することができないため、診断ができません。MRI/MRAにて評価することが必要です。

MRAで診断ができますが、もやもや血管の発達の程度、側副血行の程度などを詳細に評価するためには脳血管撮影が必要です。また、側副血行が足りているかどうかの評価には、脳血流シンチグラフィが必要です。

治療適応の決定

  • 偶然に見つかった場合、脳梗塞で発症した場合、脳出血で発症した場合で、治療適応は異なります。
  • 偶然に見つかった場合は、定期的に画像評価をしながら経過をみます。脳梗塞で発症した場合には、脳血流シンチグラフィの結果を参照して外科的治療で少しでも脳血流を増やすことが必要です。脳出血で発症した場合には、外科的治療で出血の危険性を低減することができるかどうかを検討する必要があります。

治療

  • 内科的治療:もやもや病の進行をコントロールできる薬はありません。脳梗塞で発症した場合には、脳梗塞再発を防ぐ目的で抗血小板療法を行うことがあります。
  • もやもや血管だけでは側副血行が足りていない場合、もやもや血管への負担が大きく脳出血を起こしてしまった場合、などにバイパス手術を行います。直接バイパス術(頭皮に血流を送っている浅側頭動脈を中大脳動脈に吻合することにより、本来頭皮に行くはずの血流を脳に送り込む手術)と間接バイパス術(血管吻合ではなく、頭皮や筋肉、動脈などを脳と接触させることで血管新生を促す)があります。すべての症例にバイパス手術が必要・有効なわけではないため、適応は慎重に検討する必要があります。