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下垂体腺腫/下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)

*以下、下垂体腺腫と記載

  • 下垂体は生命維持に欠かせないホルモンを産生しています。この下垂体の前葉に腫瘍が出来ます。
  • 近年名称、腫瘍の分類が見直され、下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET) という名称に変更されました。ただし患者さんにとってこれまでと治療方針が変わるわけではありません。

症状

腫瘍による圧迫症状

  1. 腫瘍により正常下垂体が圧迫され下垂体の機能が低下します。
  2. 腫瘍により視神経を圧迫し視力障害、視野狭窄などの症状をきたします。最も多い症状です。ひどい場合は、失明することもあります。
  3. さらに大きくなると、第三脳室を圧迫し水頭症をきたすことがあります。
  4. 外側に腫瘍が大きくなると、動眼神経麻痺、外転神経麻痺を来し、複視を起こすことがあります。

ホルモンの過剰分泌

過剰なホルモン分泌を来す腫瘍があります。以下のような種類があり、ホルモン分泌により以下のような症状があります。

  1. 成長ホルモン産生腫瘍:末端肥大症、高血圧、糖尿病など
  2. ACTH産生腫瘍:肥満、高血圧、糖尿病など
  3. 甲状腺刺激ホルモン産生腫瘍:甲状腺機能亢進症状
  4. プロラクチン産生腫瘍:月経異常、乳汁分泌など

*上記のようなホルモンを分泌しない腫瘍のほうが頻度としては高いです。

治療方針

  • 経過観察、手術加療、放射線治療、薬物療法があります。
  • ホルモンを過剰分泌しない腫瘍、症状を来していない腫瘍は経過観察となります。
  • ホルモン過剰分泌を認める腫瘍は治療が必要となります。プロラクチンを多く作る腫瘍は薬物治療が第一選択となりますが、それ以外は手術による摘出が第一選択であり、腫瘍摘出によりホルモン値を正常にします。
  • 腫瘍による圧迫症状がある場合は手術により圧迫を解除し、症状の進行をおさえ、症状の改善を期待します。
  • 手術加療が困難な場合は放射線治療を行うこともあります。
  • 上記のどの治療の場合でも外来で定期的に画像検査を行い、腫瘍の状態を確認します。

手術

  • 病変はトルコ鞍内といわれる部分に存在します。この部分は鼻の穴の最も奥である蝶形骨洞の真上に位置しているため、手術法は開頭術ではなく内視鏡を用いて鼻から行います。このため手術は耳鼻咽喉科の先生と協力して行います。
  • 術中支援としては一般にナビゲーションを使用します。当院では全例でナビゲーションを使用し、症例に応じて術中MRIを使用し腫瘍が十分摘出されていることを確認することもあります。

放射線治療

以下の場合に放射線治療を行うことがあります。

  • 手術により取り除けなかった腫瘍
  • 非常にまれですが悪性度の高い腫瘍
  • 手術の危険性が高い場合