当院の研修センターは設立後7年目を迎え、これまでの実績を踏まえ更に充実した職員研修を提供して参ります。当院以外の職員の方々のご参加も可能な限り受け入れていますので、ご希望があれば研修センターにお申し出下さい。
当院は地域医療支援病院として、平成17年から地域完結型医療を目指して参りました。皆様の御協力を得て順調に進展した結果、紹介率は徐々に高くなり平成23年度は100%、逆紹介率は85%に達しました。地域における当院の役割は主として急性期入院医療であることが評価された結果と感謝しています。地域住民及び医療機関の方々の期待に応えるべく、これからも更に努力を重ねて参ります。
当院では、医師をはじめ多くの医療職が連携し診療に当たっています。色々な専門職が夫々の知識を出し合いベストの診療を行うと共に、医師及び看護師の業務軽減がその目的です。連携医療機関の職員の方達とも密な交流を行い、患者の状況に合った適切な医療機関で診て頂くよう取り組んでいます。多職種の方々と情報を共有出来る様、必要な研修を受けて頂くことを期待しています。
東紀州地区の医療荒廃は県内でも最も顕著であり、県がその支援策として打ち出したバディホスピタル・システムに参加し、当院の主として後期研修医を尾鷲市民病院に派遣していますが、医師減少に喘ぐ尾鷲市民病院は勿論、派遣される医師からも高く評価されています。崩壊寸前の地域医療の厳しい状況を直に体験出来ることにより、広い心を持った優秀な医師形成に役立っていると信じており、いわば地域医療の実地研修と位置づけて継続していくこととしています。
平成22年度から、新人看護師に対する卒後研修が努力義務ながらスタートしましたが、これは当研修センター発足時から予期していたことであり、当院は既にそれ以上に対応して来ています。これに対しては対策を講じてこられなかった病院が多いのではないかと思われますが、ご希望があればそれらの施設に対する研修支援にも対応いたしますので御申し出下さい。
当地域の医療提供側の疲弊は相変わらず深刻で、診療縮小に到る施設がかなり見られます。その分当院への期待は大きくなってきています。今後、地域医療を維持・発展させて行くためには、住民に対する啓蒙も欠かせませんので、今後の研修は医療従事者だけでなく、受診側にも参加頂きたいと考えています。
職員研修の先進病院として、本年度も充実したプログラムを企画致しましたので、多くの研修に参加されることを期待しています。
伊勢赤十字病院 院長 楠 田 司