院内がん登録委員会

 当院は、「地域がん診療拠点病院」に指定されています。

 地域のがん診療の中心として高度のがん診療を実践していくばかりでなく、患者さんや市民の皆様にがんに関する情報を公開開示していく予定です。

その一環として10月22日(日)当院管理棟4階講堂で「がん医療普及啓発市民公開講座」が開催され、約180人の市民の皆様が参加、聴講しました。

 演者は愛知がんセンター研究所所長兼疫学予防部部長の田島和夫先生で、演題は、「変貌するがんの流行と増加するがんの要因ーがんの罹患・死亡数をへらすためには?ー」と言う題で行われました。

その内容は、わが国では1981年以降、がんが死亡の原因の一位となり、最近では、がんにかかる人が年間60万人にのぼり、死亡する人は30万人にもなります。
 このまま死亡数が増え続けると、国民の2人に1人はがんで死亡することになります。

 最近では治るがんが増えてきましたが、一方で寿命が伸びることにより、第二のがん、第三のがんにかかることもまれではなくなります。

 大腸がん、乳がん、肺がんなどの増加が目立ち、いわゆるがんの欧米化が進行してきています。

 日本人のがんの原因として、@感染症(腫瘍ウィルス・ピロリ菌)、A喫煙・飲酒習慣B食生活・運動週間のゆがみなどが重要であるといわれました。
 
 胃がんの発生にはピロリ菌が重要で、塩分摂取によりその頻度が増加する。

 肺がんは喫煙が重要で、喫煙者でも禁煙をすることにより発生頻度を低下させることができる。

 肥満は、結腸がんや子宮体がん、閉経後女性における乳がんの危険因子で、運動もその危険率をへらすことが分かってきました。

 がんの予防には、がんにならないこと(1次予防)と早期診断・治療を行って死亡率を下げること(二次予防)に大きく分かれます。

 禁煙、適度の摂酒、緑黄色野菜摂取、運動不足の解消などは、がん予防に共通する基本的な生活習慣で、バランス良く行うことが重要であり、そして40歳を過ぎたら健診をうけて、がんを早期の状態でみつける。

 すなわちがんを治せる段階で見つけることが重要であるといわれました。

 講演の後、参加者から活発な質問がなされ、がんに関する関心の高さが伺われました。

 最後に、来年も「がんに関連した公開講座」を開催する予定ですので、皆様の参加をお待ちしています。

 なお、講演内容についてご希望があれば、総務課で受け付けていますのでお申し出下さい。